「アベノミクス」この単語は誰もが知っている。デフレ続きの日本を変えるためインフレに向かわせようというものだということも誰もが知っている。「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起する成長戦略」という3本の矢についても知っている人は多いだろう。これについては今回触れないが、日本国民としてある程度知っておくべきであるので知らない人はまた調べてもらいたい。今回はニュース等ではなかなか取り上げられないアベノミクスの学生への影響について考える。
まず、留学費用の高騰が挙げられる。これは円安の影響である。政権は、海外で働けるグローバル人材を増やすため留学生を倍増するとアピールしているが、円安による学費や生活費の負担増加によって今後留学したくてもできない学生が増えることが懸念される。
今まで以上の留学支援制度をつくらなければ政府の思惑から外れた結果を招いてしまうだろう。ただ、悪いことばかりではない。日本へ来る留学生は円安の影響で増える可能性がある。日本の大学のグローバル化に、アベノミクスは一役買うことになるかもしれない。
さらに、アベノミクスによる景気回復への期待が就活にも大きな影響を与える。2014年卒業生の就活にはアベノミクスの効果は見られなかったと言われる。しかしこれは当然で、こういった経済政策が就活に影響を与えるのは2年後とされている。アベノミクスが始まったのは2012年末。2015年卒業生の就活が問題である。現状、景気回復への兆しが見えたことによる大企業志向がみてとれる。だが、今大企業の求人が増えているわけではない。学生はアベノミクスに踊らされることなく冷静な判断をすることが求められる。円安による輸出産業の成長が予想されるので、輸出ビジネスを始めることを視野に入れてみても面白いのでは?
アベノミクスが結果的に日本をどう変えることになるかはまだ誰にもわからない。だからといって私たち学生がすべきことは変わらない。私たちがすべきことは「行動」だ。政治が私たちの生活にどのような影響をあたえるか理解したうえで自分のやるべきこと、やりたいことを見つけ、失敗を恐れず立ち止まらず動き続けることで未来は開かれるだろう。「この記事を見てアベノミクスについて少し興味を持ったからアベノミクスについての本を読んでみようかな」でもいい。好奇心が突き動かされる分野を見つけ、悩む時間があればとりあえず行動にうつす。若い力で日本を変える、その一翼をになうのはあなただ。
大阪大学法学部法学科 山本将大
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